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桑の木の実を どどめといいます。

桑の木の実を
どどめといいます。

足もとのどどめを見て
上を見上げる。

ずいぶんと大きな
桑の木になっています。

もうこの辺でも
蚕農家はありません。

このあたりには昔
お蚕さんを飼う農家が
たくさんあったんです。

お蚕さんのごはんになる
桑の木も
畑道の両側にずっと長く植えてありました。

お蚕さんは葉っぱを食べて
やがて糸をつくります。
その糸を紡いで
着物になりました。

昔は葉を摘みやすいように
桑の木は低く
切りそろえられていました。

だから子どもたちは
かんたんに桑の実を
手に入れることができました。
いや、
口に入れることができました。

学校の帰り道には
かならずつまみ食い。

熟れたどどめは、
指でちょんと触れただけで
ぽろりと手の中へ
落ちてきます。

そんな実が
いちばん甘くて
おいしいのです。

でも熟れたどどめは
すぐに色を残します。

黒みを帯びた赤紫。
葡萄色。
ボルドー色。

なぜだか親たちは
「食べてはだめよ」
と言いました。

けれどみんな
やっぱり食べてしまう。

ハンカチについた赤紫。
唇に残った赤紫。
しっかり手にしみこんだ赤紫。

見れば
すぐにばれてしまい叱られる
なのに、また。
慎重にしてもついてしまう赤紫

どどめの色に染まった
幼い日の思い出を
あの頃の子どもたちは
みんなでひとつ
分けあっているのです。

セラヴィでは朝食の手作りヨーグルトのとなりに
摘みたてを置いてあります。
皆さんきれいに召し上がります。
昔のどどめ話でもしているかもしれません。
心配なのは
その手の赤紫(>_<)

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