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秋海棠(しゅうかいどう)

秋海棠という花のことを
初めて教えてくれたのは、
結婚してからずっと一緒に暮らしていた
お姑さんからでした。

嫁に行って間もない頃でした。
庭の草むしりを一緒にしていたときのこと。
庭の隅に、ひっそりと可愛らしく咲いている花を指して、
義母が教えてくれました。

「これは秋海棠という花なのよ。
遠く海の向こうにいる船に、
道を教える灯台の光みたいでしょう」

そう聞いて、あらためて花を眺めてみると、
真ん中にある鮮やかな黄色が、
本当に小さな灯りのように見えてきます。

そのまわりを包む、やわらかなピンク色。
可愛らしくて、優しくて。
まるで小さな灯台が、
遠くの海をそっと照らしているようです。

花言葉は「片思い」。
なんだか、少し下を向いた姿も
いじらしくて可愛い。

義母からそんな話を聞いて以来、
秋海棠は、私の大好きな花のひとつになりました。

人の心とは、不思議なものですね。
同じ花を見ているのに、
そこに誰かから聞いた思い出や物語が加わると、
それまでとは違う花に見えてくる。

花そのものが変わったわけではないのに、
見る人の心が変わることで、
花の感じ方まで変わるのですね。

何も考えずに、
ただそこに咲いている野の草花は
誰かに見てもらおうとも、
誰かに褒めてもらおうともせず、
季節がめぐれば、
いつものように静かに花を咲かせる。

何かを求めることもなく、
ただ自分の季節を一生懸命に生きている。

そんな姿を見ていると、
私はとても美しいなぁと思うのです。

勉強になります。
ちっぽけな管理人のように、
誰かに認めてもらおうと頑張りすぎたり、
つい、変なところで片意地張ったりと・・・
かっこ悪いなぁ~

素直なこころが一番。

秋海棠の小さな花が、
今日も庭の隅で
可愛らしく揺れています。

その黄色い灯りを眺めながら、
遠い昔に義母と並んで草むしりをした日のことも
そっと思い出しています。
花というのは、心の中では
ずいぶんと長く咲いてくれるものなのですね。

お彼岸ですね。

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