犬の散歩
足元の赤や黄色に美しく染まった葉っぱを見て、
上を見上げます。
路地の青かった柿の実も、いつの間にか大きくなって、
すっかりオレンジ色のおいしそうな色になっています。
いつも、こうやって教えてもらいます。
足元に落ちた葉っぱが、
「上を見てごらん」
って。
「ありがとう」と言います。
葉っぱと、目に。
鳥の声を聞いて空を見上げ、
木の上を見上げ、
美しい鳥を見つけた時は、
耳に「ありがとう」と言います。
いいにおい。
上を見上げ、
金木犀の花を見つけたとき、
低い鼻をなぜて、
「ありがとう」といいます。
管理人の変な癖です。
そんなことを思っていたら、
ふと、目の見えないご夫婦のお客様との時間を思い出しました。
バッグに鈴をつけていて、
「とてもいい音色ですね」
と言ったら、
次にお見えになったとき、
おそろいの鈴をお土産にくださいました。
本当にいい音色なのです。
とっても嬉しかった。
たくさんお話をしたわけでもないけれど、
その後、スタッフの勉強会で、
いまさらなのですが、
目の見えない方との接客を学びました。
歩くときのフォローの仕方や、
お料理の説明の仕方等々
でも一番学んだのは、
目の見えない方への接客だけではなく、
人に寄り添うということでした。
2度目にお越しくださったとき、
「お勉強しましたね」
と、お客様が笑ってくださいました。
その言葉が、
今でも心に残っています。
その後、ずいぶんとご無沙汰しております。
「お元気だったらいいなぁ~」
そんなことをふと思いながら、
久しぶりに見る青空を見上げました。
少し湿って、
少し冷たくなった秋の空気を
ゆっくりと深呼吸。
しばらく、空を眺めていました。
白いホトトギス