ちょうど台風の雨も、止みました。
こちらは秩父鉄道の野上駅です。
セラヴィの送迎車
「トヨタクラシック」がお迎えに。
初めて訪れる方は
映画のロケで使われる
セットのような駅だと
思われるかもしれません。
どこか質素で
どこか懐かしい。
私は、この駅舎がとても好きです。
送迎のたびに眺めては、
「やっぱり、いいなぁ。」
毎回そんなことを思います。
お山を背にして、
肩の力を抜いたように
ひょうひょうと建っている姿が
何とも言えず好きなのです。
でも、侮るなかれ。
この駅舎は、
開業当時から使われている
木造モルタル造り。
1911年(明治44年)に生まれ、
今年でおよそ築115年になります。
今では駅員さんの姿はなく、
代わりにICカードのチャージ機が置かれています。
正直なところ、
あまり似合ってはいません。
でも、それも時代なのでしょう。
当の駅舎は
そんなことくらい大した問題じゃない
そんな顔をしているように見えます。
管理人は、
少しだけ寂しく思うこともあります。
昔は駅員さんが
カチャカチャと鋏を鳴らしながら、
紙の切符を切っていました。
あの鋏さばきが見事でね。
ときどき用もないのに、
見とれてしまったものです。
送迎に行くと、
「今日もお迎えですか。」
そんなふうに笑顔で声を掛けてくださる駅員さん
たった一人で
お掃除も
切符切りも
アナウンスも。
駅の一日を
静かに守っておられました。
駅は少しずつ姿を変えていきます。
それでも、この駅舎だけは、
変わらず山を背にして
風の日も
雨の日も
晴れの日も
ただ
だまって旅人を迎え、
ただ
だまって送り出しています。
台風の雨が上がった空の下でも
いつもと同じ顔をして
何事もなかったように。
だから送迎のたびに
「やっぱり、いいなぁ。」
また見とれてしまうのです。
セラヴィ梅雨のしつらえ 17