
こちらは
梅雨のしつらえとして飾っている、小さな香具箱。
蓮の花に、ちょこんと寄り添う蛙。
水の気配をまとったようなお道具です。
箱の裏には「惠麻」と書かれていました。
香道で大切にされる「香銘(こうめい)」のようです。
むかし、この箱の中には、
香箸や香匙など、ほかのお道具も眠っていたのでしょうか。
そんなことを思うと、
小さな箱の中に、遠い時間までしまわれているようですね。
日本では明治のころ、
中国清朝の文人趣味や南画文化、煎茶道への憧れから、
蓮や蛙、水辺を題材にした香具が多く作られたそうです。
これは中国のものなのか、
それとも日本で作られた唐物写しなのか。
はっきりとは分かりませんが、
明治から大正初期頃のものではないかとのことでした。
長い年月を経た金属の色には、
雨の日の空気によく似た、やわらかな静けさがあります。
ずっと見ていると
香りはなくても、
どこから ほのかに香が立つような気がしてきます(#^.^#)